「高卒と大卒の違いは、社会に出てしまえば関係なくなる」
こんな話もよく耳にしますが、実際にはどのくらいの違いがあるのかって、きちんと理解できていますか?


ぶっちゃけ「何が本当のことなのかよくわからない」という人も多いでしょう。
そこで今回は、高卒と大卒の違いにフォーカスを当てて、それぞれのメリット・デメリットや就活時に活用できそうなサポートサービスなどをまとめてご紹介していきます!
高卒と大卒はどのくらい違う?
高卒と大卒との明確な“違い”は「大学を卒業しているかどうか」です。
それに伴って、もっとも若くて高卒は18歳、大卒は22歳となるため、4歳の差があることも違いのひとつとして挙げられます。

高卒と大卒による違いは、以下のポイントに関わってくるんですよ。
- 履歴書に記載する「最終学歴」
- 就職状況
- 就職先(求人数)
- 生涯賃金
まずは、それぞれの違いについて詳しくチェックしていきましょう。
ちなみに下記の動画でも、「高卒と大卒の就職活動の違い」について解説しています。ぜひ合わせてチェックしてくださいね。

(本当は記事と動画のどっちもチェックしてほしい)
履歴書に書く最終学歴
高卒と大卒では、履歴書に記載する最終学歴が異なります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高卒の場合
- 高校を卒業してすぐ就職する
- 大学を中退して就職する
といった場合の最終学歴は「高卒」です。
そのため、大卒であることを条件としている求人募集では、書類審査の時点で高卒者は落とされてしまいます。
学歴は関係ないという風潮も出てきてはいますが、まだ大卒であることを前提とした求人はあり、ここで違いを強く感じる人も多いようです。

大卒の場合
大卒の場合は、特に気にする必要はありません。
履歴書には、大学名や学部名などを記載しておけばOKです。
大学院卒を条件としている研究職などもありますが、基本的にはほぼ全ての求人に応募できるでしょう。
就職状況
高卒と大卒の違いは、就職状況にも表れるといわれています。
平成31年3月のデータで比較してみましょう。
- 高卒の就職率…98.2%
- 大卒者の就職率…97.6%
このため、高卒者のほうがやや上回っているという結果がでています。
就職率の推移についても簡単に確認しておきましょう。
高卒の就職率の推移
ここ数年における高卒の就職率は以下の通り。
- 平成30年:98.1%
- 平成29年:98.0%
- 平成28年:97.7%
- 平成27年:97.5%
就職を希望するほぼ全ての人が、内定を獲得しているといえるでしょう。
大卒の就職率の推移
一方、大卒の就職率は以下のように推移しています。
- 平成30年:98.0%
- 平成29年:97.6%
- 平成28年:97.3%
- 平成27年:96.7%
やはり高い水準を保っています。
大卒の就職難時期が続き、高卒の方が就職率は高いとされてきていましたが、大きな違いは見られなくなってきているんです。
就職状況だけでどちらにメリットがあるとはいえなくなっているのが現状ですね。
下記の記事では、高卒女性の就職率や就職を成功させるコツを紹介していますので、経歴に悩んでいる女性の方はチェックしてみてください。
就職先(求人数)
まずは、高卒・大卒でどんな求人があるのかを見てみましょう。
高卒の就職先
厚生労働省が令和元年7月に、令和2年3月に卒業予定の高校生を対象に調査を行った取りまとめによると、高校新卒生を対象にした求人でもっとも多かったのは「製造業(求人数:138,258)」でした。
中でも「輸送用機械器具製造業(求人数:23,408)」「食料品製造業(求人数:19,519)」の求人が多いという傾向があります。
高卒を対象とした求人数が多い業種は以下の通りです。
- 製造業(求人数:138,258)
- 建設業(求人数:66,231)
- 卸売業小売業(求人数:56,287)
- 医療、福祉(求人数:45,397)
- 宿泊業,飲食サービス業(求人数:25,825)
大卒の就職先
一方大卒者を対象とした求人では、リクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査」(2020年卒)によると「流通業(求人数:333,400)」がもっとも高い結果となっています。
流通業とは、商社や百貨店、専門店などのことで、高卒者の求人数第3位だった卸売業小売業も流通業の一種です。
大卒を対象とした求人数の多い業種は以下の通りです。
- 流通業(求人数:333,400)
- 製造業(求人数:279,200)
- サービス情報業(求人数:93,200)
- 建設業(求人数:88,200)
- 金融業(求人数:10,700)
就職先を選ぶ際は、求人数もチェックして業種を選ぶのもひとつの手です。
高卒だから◯◯の業種からしか選べない、大卒だから△△だ、と決めつけるのはよくありませんが、就職先選びに悩んだ時には参考にしてみましょう。
参考:厚生労働省「令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ」
仕事内容
高卒と大卒では仕事の内容に違いが出ることもあります。
高卒の仕事内容
一般的には、高卒はブルーカラーと呼ばれる製造業や建設業、林業、漁業などの生産現場で肉体労働をする仕事が多いとされています。
ただ、ひとつの技術を極めていくような職人であれば、高卒のほうが大卒よりも早くその道に入れる分、優遇されることもあるんです。
大卒の仕事内容
一方、大卒はホワイトカラーと呼ばれるスーツを着て働く頭脳労働がメインとなるでしょう。
例えば、高度な知識を要するような研究職や学者などを目指す場合は、最低でも大卒、中には院卒が必須条件となるケースもあります。
もちろん、大卒であってもブルーカラー職に就くことは可能です。
学歴に左右されず実力主義で、力があればどんどんステップアップを目指せる会社も、もちろんあります。
どちらの場合も「高卒だから」「大卒だから」と学歴を言い訳にせず、「自分がどんな職に就きたいのか」を考えて仕事や就職先を選ぶことが大切なのです。
待遇
高卒・大卒といった学歴で待遇に違いがある、ということはほとんどの場合ありません。
福利厚生などは、どの社員に対しても平等に設けられていますし、転職などではスキル次第で高卒のほうが大卒よりも重宝されるケースも見られます。
ただし、以下のような点で違いが出る場合もあるため注意しましょう。
高卒の待遇
初任給などの給与面では、高卒は大卒より低く設定されている場合もあります。
高卒よりも大卒のほうが「より知識や技術を持っている」と判断されるケースが多いからです。
会社によっては出世が遅れる可能性もあるでしょう。
ただ、若いうちから実務経験を積めるという高卒のアドバンテージを活かして一生懸命働けば、評価は上がり、待遇も良くなることが期待できます。
大卒の待遇
特に大企業では、高卒より大卒のほうが給与や出世において優遇される傾向にあります。
出世を目指している高卒者は、学歴に関係なく出世が望める会社であるかを就職前に見極めておくようにしましょう。
生涯賃金
生涯賃金は、高卒と大卒で大きく違う場合があります。
詳しく見ていきましょう。
高卒の生涯賃金
高卒のほうが働いている年数は長いものの、大卒とは初任給などに違いがあり、一般的に生涯年収は大卒者のほうが高いです。
学校卒業後にフルタイム正社員雇用で60歳まで働き続けた場合で比較してみると、高卒と大卒では、男性で6千万円・女性で9千万円もの生涯賃金の差があることがわかっています。

とはいえ、
- 職種による年収の違い
- 役職が付いて年収があがった
- 転職して年収アップした
など、生涯年収にはさまざまな条件が関わってくるもの。
必ずしも、統計通りの結果になるとは限りません。
上記の違いはあくまで統計データとして頭にいれておくようにしましょう!
大卒の生涯賃金
大卒の生涯賃金が高くなる理由としては、専門知識やスキルを持っていることが挙げられます。
一生懸命働いて認めてもらうことも大切ですが、スキルアップにつながる資格を取得することもおすすめです。
下記の記事では、高卒でも取れるおすすめの資格を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
参考:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2016」
高卒のメリット・デメリット


高卒のメリット
高卒のメリット
- 社会に早く出られる
- 大学の学費がかからない
- 若いうちから自分の力で稼ぐことができる
高卒最大のメリットは、社会に早く出られること!
社会人としての第一歩を10代のうちに踏み出せるため、大卒者が入社してくる頃には、仕事にも自信がもてるようになっている可能性も高いです。

また、若いうちから自分の力で稼ぐことができることや大学の学費がかからないため自立が早いこともメリットのひとつです。
高卒のデメリット
高卒のデメリット
- 就活や転職時に学歴による書類審査落ちの可能性がある
- (統計では)生涯賃金が大卒よりも低い
- 学歴にコンプレックスをもちやすい
高卒の場合、大卒が条件となっている求人には応募ができないため、募集数自体が少なくなってしまうケースがあります。これは、大きいデメリットでしょう。
職種や働き方にもよりますが、統計的には生涯賃金も大卒より低くなってしまうところもマイナスに感じる方が多いでしょう。

しかし、求人数以外は自分次第でデメリットを克服することは可能なことばかり!
「自分はどうしたいのか」をじっくり考えて行動するようにして、デメリットを減らしていきましょう。
次の記事では、高卒でも高収入を期待できる職種を紹介していますので、気になる方は読んでみてください。
大卒のメリット・デメリット


大卒のメリット
大卒のメリット
- 学歴が就職で不利になることはない
- 将来何をしたいか考える時間がもてる
- 自由な時間が多く留学や旅行、遊びと好きなことができる
大卒になれば、就職・転職時に学歴だけで弾かれてしまう可能性が高卒よりも低くなります。
学歴を重視する求人の場合、高学歴でなければならないなどのフィルターがかかることはありますが、基本的には高卒よりは有利です。
4年以上の自由な時間が手に入るため、人生設計をじっくり考えることができ、留学や海外旅行などにも行きやすいこともメリットのひとつです。

大卒のデメリット
大卒のデメリット
- 社会にでるのが遅くなる
- 無駄な時間をただ過ごすだけになってしまう可能性もある
- 多額の学費がかかる(場合によっては奨学金の返済負担が増える)
大学在学中に、なんとなく単位を取得し自由な時間もぼんやり過ごしてしまうと、無駄な時間を過ごして大卒になっただけになってしまう可能性があります。

進路変更を考え始めたときにも、せっかく入学した大学を辞めるには強い意志と勇気が必要になり、なかなか思いきれないもの。
卒業までもったいない時間を過ごすことになってしまうことも考えられます。
また多額の学費がかかる場合がほとんどなので、もし奨学金を借りていれば、社会人になってから返済をしていかなければなりません……。
大卒のデメリットを乗り越えるためには、
- 4年間で何をするのか
- どんなことを得たいのか
これらをしっかり考えたうえで過ごし、無駄にしない努力が必要です。
高卒だから…と諦めないで

高卒と大卒の違いを見ていくと、「生涯賃金」や「就職時の有利・不利」など、どうしても大卒のほうがいいように思える話が出てきてしまいます。
確かに、大卒になれば有利になることもありますが、「大卒=安泰」というわけでは決してありません。
まだ結果も出ていないうちから「高卒だから……」と諦めてしまうのは、正直とっっってももったいないことです!

- どうしても学歴にとらわれてしまう
- 経歴に自信が持てない
その気持ちも、めちゃくちゃ分かります。
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この記事に登場したキャリアカウンセラー
新卒時は、IT機器・ITシステムなどの新規提案を行う企業に営業職として入社。その後、企業の採用問題に向き合いたいと考え、UZUZへの転職を決意。
現在はUZUZ内一の癒し系キャリアカウンセラーとして活躍中!
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