「文系だと、営業しかないですよね?」
20代の就活サポートをしていると、よくこんな声を耳にします。
どうやら文系卒だから、営業職しか就職の選択肢がないと考えているようです。
本音では、営業職になりたいわけでもなく、むしろコミュニケーションに苦手意識があり、できれば営業以外の仕事を希望しているようでした。
営業職は「欲しい」と思っていない顧客に対しても、自分のプレゼンテーションで商品やサービスを買ってもらうという仕事。
コミュニケーション能力に自信がない人にはちょっと敷居が高いと感じます。
「他にも接客や技術職といった仕事もあるじゃないですか」
と答えると、
「接客はキャリアアップができなそうだし、技術職は理系じゃないとダメですよね?」
とのこと。
なるほど。
技術職は理系じゃないとなれないと思っている人がいるようですが、実際のところはそうではありません。
文系でもなれる技術職は探せば結構あるものです。
では、どのような仕事なら文系でも技術職として手に職をつけられるのでしょうか?
結論としては、大きく分けて「インフラエンジニア(ITエンジニアの一種)」と「クラフトエンジニア(ものづくりエンジニアの一種)」というものがあります。
この記事では、「クラフトエンジニア(ものづくりエンジニアの一種)」についてご紹介していこうと思います。
「インフラエンジニア」について知りたい人は、「インフラエンジニア(ネットワークエンジニア)の業務内容とは?」を読んでみてください。
「ものづくりエンジニア」といっても色々ある
「クラフトエンジニア」について解説する前に、まずは「ものづくりエンジニア」について説明しましょう。
「ものづくりエンジニア」とは、ものづくり(製品の企画・設計・製造)に関わる技術職の総称です。
例えば、どんなものがあるかというと、下記のようなものがあります。
技術職の職務内容
- 設計もしくは商品開発(設計をサポートする「設計補助」という人もいる)
- CADエンジニア(CADで図面作成を補助する人)
- 評価もしくはCAEエンジニア(「解析」や「検証」と表現されたりもする設計段階の評価を行う人、CAEというシミュレーションを使用することも)
- 生産技術(「設備」に関する専門性を持った人と「材料(素材)」に関する専門性を持った人がいる)
- 品質保証(不具合が発生した際に対応する人/未然に品質不具合を防止するために設計と連携することも)
- 技術営業(顧客へのアフターサポートを担当)
- 製造(製造ラインを設計・改善したり、実際に製品を作る人)
では、どの仕事なら文系であってもできる仕事なのかというと、結論としては「全て」です。
ただ、最初からその仕事ができるかというと、そういうことではありません。
例えば、設計のような専門知識が必要とされる仕事だと、大学時代に機械工学や電気電子工学を勉強していた人でないと基本的にはできません。
いきなり図面を変えてくれとか、製品の構造を理解してどの部分をどのように変更すれば製品の機能が改善できるのかは専門知識がないと対応できないでしょう。
つまり、専門知識や製品の構造を理解できるようになれば設計のような業務もできるということです。
専門性がそこまで求めらない仕事から経験していって、最終的には専門性が求められる仕事にキャリアアップしていくのが一般的な流れになります。
どのような流れでキャリアアップしていくかというと、こんな感じです。
- いきなり専門性が求められない仕事:製造、技術営業、製品管理、設備オペレーター
- 最初から専門性が求められる仕事:設計(商品開発)、評価、生産技術
この「いきなり専門性が求められない仕事」つまり「知識よりも手を動かして覚えられる仕事」を「クラフトエンジニア」と言います。
要するに「クラフトエンジニア」とは、次のような特徴がある仕事のことです。
クラフトエンジニアの特徴
- ものづくりに関わる仕事
- 製造、検査のような現場の仕事からスタートする仕事
- はじめから専門知識がそこまで求められず、業務をやりながら覚えていく仕事
- 研修を受けてから業務をスタートすることが多い仕事
なので、文系から技術職になることを希望するのであれば、まずは「製造」「技術営業」を経験することになります。
ただ「技術営業」は半分が営業職、半分が技術職のような仕事です。
つまり顧客対応が発生するため、コミュニケーションに苦手意識を持った人だとちょっと抵抗があるはず。
また「製造」という言葉を聞くと、あんまり良い印象はないのではないでしょうか?
機械と一緒に休まず働いたり、油まみれになったり、「3K(キツい・汚い・臭い)」というイメージを持っている人も少なくないでしょう。
そういったネガティブなイメージもありながら、実は中には「当たり」の製造の仕事もあります。
以下でその見分け方を解説しようと思います。
クラフトエンジニア求人の「当たり」を見分けるには?
クラフトエンジニアの仕事を探す際に「当たり」を見分けるためのポイントは次の3つです。
3つの見極めポイント
各々の理由をもう少し詳しく説明します。
1.キャリアアップがある
最初は製造として入社しても、ずっと製造だとキャリアアップとは言えません。
体力を使う立ち仕事も多いですし、設計のような技術職と比べるとどうしても年収面でも劣ります。
なので、スタートは製造でも経験を積むと業務内容がレベルアップしていくような環境を選ぶことが重要です。
具体的にはどのようなキャリアアップが一般的かというと、このような流れが多いように思います。
製造(組み立て工程、検査工程のような製造ライン内での作業)
↓
設備オペレーター(製造設備の設定変更や保守作業)
↓
生産技術、評価
↓
設計
このようなキャリアアップができる環境があるかどうかを選考前に調べておくと良いでしょう。
2.製造工程の自動化が進んでいる分野
上記のようなキャリアアップができる環境というのは、製造工程の機械化が進んでいます。
なぜなら、人力で製造を行っているとそれだけ多くの人員が必要となり、コストがかかってしまうから。
人力で製造工程を回している会社だと、一向に製造からキャリアアップできない……なんてことも少なくありません。
製造:人力で製造しているため多数の人員が必要
設備オペレーター:設備が自動がせれていないためそもそも人員が少なくて済む
そのため、製造工程が自動化されている自動車・半導体・医療機器のような分野を中心に見ていった方が無難だと言えます。
3.経営基盤がしっかりしている会社
これは、製造の仕事で「当たり」を探すためというより、一般的な仕事探しにも共通することかもしれません。
経営規模、つまり資金が潤沢な会社の方が良いということです。
「製造」からスタートする際にどうして経営規模が重要かというと、こんな理由があるからです。
経営基盤が大事な理由
- 教育制度が充実していることが多く、文系からスタートしても研修で基礎を学べる
- キャリアアップに伴う配置転換の際に代わりとなる人員の採用ができる
- 規模が大きい方が配置転換の選択肢が広い
- 給与水準が高く、福利厚生も充実している(「製造」に関わらず)
参考までに条件を満たす求人をご紹介
企業名 | 日研トータルソーシング株式会社 |
募集ポジション | クラフトエンジニア ※製造、検査、設計補助等 |
特徴 |
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企業名 | 株式会社スタッフサービス(エンジニアリング事業本部) |
募集ポジション | クラフトエンジニア ※製造、検査、設計補助等 |
特徴 |
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このように、文系、未経験からでもクラフトエンジニアを目指せる求人が多数あり、文系からでも経験を積めば、大手メーカーへキャリアアップできるのです。
ものづくりエンジニア(クラフトエンジニア)として就職するためには?
ここまで文系から「ものづくりエンジニア(技術職)」を目指す際のファーストステップとして、「クラフトエンジニア(製造)」という働き方を紹介してきました。
では最後に、その「クラフトエンジニア(製造)」に就職するためには「どんな就活をすればいいのか?」「どんな準備をすればいいのか?」を説明します。
どのような就活をすればいいのか?
- 就業エリアを絞って就活したい場合:ハローワークで条件に合った求人を探す
- 製造業の情報を入手したい場合:製造業に強いエージェントを利用する(プロから情報収集できる)
- 全国エリアで広く就活したい場合:就活サイトを利用する(リクナビ、マイナビ等)
どのような準備をすればいいのか?
- 製造業にどのような業界があるのかを知っておく(東洋経済新報社「業界地図」がおすすめ)
- 選考を受ける業界の現状のニーズ、今後の動向を知っておく(「業界地図」とGoogleのニュース検索)
- 選考企業が決まったらキャリアプランをざっくりでも考える
- ものづくりにおける基礎知識である「品質管理」に関する資格である「QC検定」4級〜3級の学習を進める
ここまでの内容で、これまでより「クラフトエンジニア(製造)」や「ものづくりエンジニア」についての理解が深まったのではないでしょうか?
とはいえ、初めて知ることも多く、まだまだよくわからないことだらけですよね。
「クラフトエンジニア(製造)」や「ものづくりエンジニア」に限らずとも、
- ちょっと気になっている仕事があるけど、もっと知りたい
- 自分に向いてそうな仕事にどんなものがあるのか知りたい
- 色々思うところがあり、とにかく就活のことで悩んでいる
など、就活のことでなんとなく「聞きたいこと」「話したい事」がある方は、一度UZUZに相談してみませんか?
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