実際に行う銀行業務、実はこんなにいくつもの仕事があった!

私達が銀行に出向くと応対してくれる多くの銀行員がいます。そのため、身近な存在に感じるでしょう。しかし、日常で私達が触れている銀行の仕事は、ほんの一部分にすぎません。裏では、実に様々な仕事を行っています。

それでは、銀行員が行っている本当の仕事を紹介していきましょう。具体的な業務内容に触れる前に、一般職と総合職がある、と覚えておいてください。一般職には正社員とパートがいます。総合職には正社員しかいません。総合職は、様々な部署や支店で働く必要があり、転勤も多い職です。

預金業務

私達にとってもっとも身近な業務です。銀行の窓口で対応しているほとんどの業務が、この預金業務にあたります。

業務内容の解説

お客さんの銀行口座を通じて、預金を管理する仕事です。ATMでも行えますが、窓口に来るお客さんも少なくありません。ATMが苦手なお客様はもちろん、扱う金額が高額な場合、窓口で取り扱うことも多いです。ATMの代わりにお金を預けたり、引き出したりの役割を行っています。通帳の記入や切り替え、新規口座の作成もこの預金業務にあたります。

現状

若者や年配の方の『銀行離れ』が進んでいます。「銀行は給料や年金を、受け取るだけの場所であり、預金する場所ではない」と考える人が増えているからです。
そう考える人の理由はシンプルです。まともな金利がつかないのですから、彼らの考えは、非常によくわかります。2015年現在、最も金利が高い銀行は、じぶん銀行の定期預金の0.37%です。この数字でも「金利がつくなぁ」と考える人はいません。しかも、じぶん銀行はネットバンクです。

大手銀行の普通預金の金利は、軒並み0.01から0.03%です。冷静に考えれば、この数字がどれだけ、低い数字なのかは簡単にわかります。

あなたが100万円銀行に預けたとしましょう。1年間でもらえる利息は100円から300円です。コンビニでATMを利用すれば、1回100円以上かかります。はい、どう考えても預けるだけ損です。こんな現状ですので、「馬鹿馬鹿しい」と考える人が多いのは、当然でしょう。

課題

現状が明らかなのですから、課題も当然明らかです。銀行が企業や個人に融資するためのお金は、多くの人が預金してくれることで成り立っています。預金がなければ、融資もできません。つまり、今後銀行が銀行であり続けるためには、これ以上の銀行離れを阻止する必要があります。

展望

どうすれば、預金を集めることができるのか?これは非常にシンプルです。預金をするメリットをわかりやすく、お客様に提示するしかありません。しかし、今の金利では、「お金が増えるから銀行に預けよう」と預金者に思わせるのは、無理な話です。

金利を大きく上げるか、もしくは金利以外の面で、銀行に預けるメリットを作るしかありません。今後それができないかぎり、銀行離れはますます進み、ゆっくりとしたペースで業界全体が衰退していきます。

貸付業務

貸し付け業務は、銀行の利益を生み出す業務です。企業への融資はもちろんのこと、個人にも融資を行います。住宅ローン、新車ローン、リフォームローンなど、個人でまとまったお金が必要な時に、銀行が融資を行います。

業務内容に関してですが、企業が資金を確保する時や、個人に大きなお金が必要になった時に融資を行います。この融資の際に「この企業は、きちんと返済能力があるのか?」と審査をするのも仕事です。貸付期間、金額、利息を検討し、融資先に提示します。双方の折り合いを調整するのも仕事のうちです。

融資先が万が一、倒産してしまえば貸したお金は返ってきません。そのケースが増えてしまえば、バブル崩壊時期のように苦しい状況になってしまいます。そうならないように、きちんとした審査を行います。

現状

銀行の収益を握る大事な部分です。しかし、どこでも良いから貸せば良いというものでもありません。回収の見込みがきちんとできていないと、銀行は融資を行いません。以前、『貸し渋り』という言葉で非難されていたのが、この部分です。

しかし「貸せません」の一言で終わらせてしまえば仕事になりません。とくに中小企業に対しては親身になって相談に乗ることもあります。コンサルティングのような役割を果たすことも多いです。地方銀行の場合、自分達が担当していない地域を担当している提携銀行を探し、融資が受けられるようにお手伝いをすることもあります。

課題

今後の課題は、短期的な融資ではなく、なるべく長期的な融資を行うことです。そして、なるべく多くの融資を成立させることも課題になります。もちろん、回収の見込みがしっかりしている所に、融資をしなければなりません。

展望

海外事業に目を向けている銀行が多いです。国内ではなく海外の方が、大きな成長が見込めるからです。
銀行によって名称は異なりますが、海外事業支援部が設置されている銀行も多く、海外事業のためのコンサルティングも行っています。市場調査から、パートナー選定まで手伝ってくれる銀行も多いので、資金調達も任せられるコンサルサービスの役割を銀行が果たすことも多いです。なお、最近注目されているのは、ベトナムやインドネシア、フィリピン、インドなどアジア方面が多くなっています。

また、国内での融資は個人への融資にバリエーションをもたせることです。現在でも多くの融資方法がありますが、今後はリフォームローンなどに需要が高まってくると予想されています。リフォームのように、時代が求めていることに対して融資をしていくことが、非常に大切になっていくのです。

為替業務

銀行業界では、現金のやり取りをしないで決済を済ませることを『為替業務』と言います。あなたの身近にもたくさんあります。たとえば、光熱費です。電気代やガス代の口座振替がこれにあたります。カードからの振込も為替ですので、私達は非常に多く為替を利用しているのです。

また、これとは別に外国為替という業務もあります。簡単に言うと両替です。日本円をドルなどの外貨に交換、その反対にドルから円に変えます。その両替をする際に利用者から手数料をいただきます。

業務内容の解説ですが、通常の為替業務は裏方の仕事です。窓口ではなく奥の方で、預金者の口座から引き落としを行います。あなたがよく利用している振込も、同じ要領です。馴染みのあるところだと、家賃の引き落としが為替業務にあたります。実際に現金をやり取りするのではなく、数字上だけのやり取りは全て為替業務である、と考えてください。

外国為替業務は窓口で対応をします。外貨への両替や旅行小切手(トラベラーズチェック)の発行、海外への送金も扱います。海外送金には、取り扱い手数料、仕向送金手数料に加えて、銀行によってはコルレス手数料という新たな手数料が発生します。コルレス手数料とは、銀行の支店が郵送先の国にない場合、郵送国の銀行に支店の代わりをしてもらうために発生する手数料です。

現状

為替を依頼している企業から頂く手数料が利益になります。もちろん手数料ですから、単価自体は少額です。しかし、塵も積もれば大きな金額になりますので、決して無視できる存在ではありません。

課題

実際問題として、どの銀行で為替を行ったとしても利用者にとっては大差がありません。『◯◯銀行で電気代を引き落とした方が得』とはならないのです。そのため、利用者数を増やすためには、新たに口座を開設してもらうほかありません。多くの銀行が新規の口座開設者を求めるのは、そのような理由からきています。

展望

新規の口座開設者を求めるためには、他の銀行から乗り換えてもらう必要があります。そのためには、自分達の銀行で口座を開設するメリットをわかりやすく提示する必要があるでしょう。お客様がどのような理由で口座を作るのか、この把握が求められます。

たとえば、ATMでの利用時に手数料が発生しない、などです。よい例が2013年12月に三菱東京UFJ銀行が行った手数料の変更です。三菱東京UFJ銀行の行内のATMの手数料は、2013年11月までは平日の8:45から18:00までが無料でした。しかし、2013年12月以降は、土日祝日も含めて8:45から21:00まで手数料が無料です。

そのため、三菱東京UFJ銀行が近くにある人にとっては、以前より時間を気にせずにATMを利用することが可能になりました。その分、以前は無料であったコンビニATMに手数料が発生するようになっています。つまり、2013年12月以前と以後では、手数料が発生するポイントに大きな変化があるのです。

このように、手数料が発生する時間帯やATMに差別化をはかることで、銀行毎に特色が出ます。利用者は、自分に最も都合の良い銀行に口座を作ることも可能です。

預金業務、貸付業務、為替業務、この三つが銀行員の主な仕事であり『銀行の三大業務』と呼ばれています。

外回り・営業

銀行業界では三大業務の他に、外回りや営業の仕事もあります。これらの仕事にも少し触れさせていただきます。

外回りの仕事は、主に集金です。取引先を周り、集金を行います。この際に、定期預金や投資信託を勧めることも多いです。行員にはそれぞれノルマが課せられますので、外回りに出た時こそが営業のチャンスになるからです。

ノルマが課せられるのは、どの配属先でも同じです。窓口業務の人にも営業ノルマがあります。そのため、私達が窓口に行くと営業をかけられることも多いのです。また、営業ノルマが達せられないと肩身の狭い思いをするのは、他の業種と何ら変わりはありません。たとえ窓口業務であろうとも、来たお客様だけを相手にしていれば良いのではありません。

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