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既卒のための業界研究|男なら一度はハマったプラモデル業界 Vol.3

自電車をこぐ人のミニチュア

前回の記事はこちらをご覧ください。
既卒のための業界研究|男なら一度はハマったプラモデル業界 Vol.1
既卒のための業界研究|男なら一度はハマったプラモデル業界 Vol.2

今回は、プラモデル業界が抱える課題と解決策を見ていきたいと思います。

3.業界の課題

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一族経営で古い体質の企業が多く、企画決定が遅いことが業界人からも指摘されることが多いので型に囚われないような考え方をしていく必要があります。また、大手メーカーを除いては若い世代が少なく、どんどん高齢化の一途を辿っています。このように画に描いたような”悪い意味”での日本企業が多いので業界を延ばしていく為にも抜本的な解決が求められているのです。

某大手の新卒の営業職でも給料が手取り16万と平均よりかなり低く、深夜まで残業することも多いといいます。また別のフィギュアメーカーなども特殊技術であるはずの原型製作の職人でも手取りが16万となっており、技術と報酬が見合ってない場合が多いのです。

この背景には業界自体が縮小傾向にあるというのが大きな要因ですが、本人達に話を聞くと「好きなことを仕事でできるのだから安くてもいいでしょ?」という暗黙の圧力も感じるのだといいます。まさにアニメ制作会社のアニメーターと同じような状況が起きているのです。

確かに趣味の延長線上なので安くてもいいですと意気込む人も中にはいますが、働く人間への給料は投資と考えなければ離職率の高い現状は改善されません。どの業界にも言えることですが、大きなイノベーションを起こしている企業が厳しい時代を生き抜いてきました。

この停滞した空気感を打開するには蓄積してきた技術をプラモデルという枠にとらわれず、広い視野を持って技術の転用をすることが必要なのかもしれません。まずは業界の人間の活気を取り戻し、内部から変革を起こしていくことが業界復活への第一歩といえるのではないでしょうか。

3-1.顧客の拡大

現在のプラモデル業界を支えているユーザー層の7割が経済力のある40代の男性です。80年代前半に機動戦士ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」が当時の小中学生を中心に爆発的にヒットしました。これを第一次プラモデルブームといい、社会現象にまで発展し、ニュースで報じられるほどでした。この第一次プラモデルブームでガンプラを嗜んだ子供達が40代になり、現在のプラモデル業界の需要を支えているのです。

最近では、このブームによってプラモデルを作ることにプライオリティを感じている世代が20年後に購買力が薄れていくことが懸念されています。プラモデルというジャンルが生き残る為にも長期的にユーザーを育てていかなければなりません。

バンダイは早くからこれを打開する為に現代の子供達にプラモデル文化を根付かせようと考えました。2011年にアニメ製作会社のレベルファイブと提携して「ダンボール戦機」というアニメ作品を発表し、作中に登場する小型ロボットのプラモデルを子供向けに発売しました。

この作品は複数の企業が協力し、アニメ、TVゲーム、マンガ、プラモデルが同時進行する「クロスメディア展開」で話題になりました。バンダイとしてはアニメの進行とタイミングを合わせてプラモデルを発売することでアニメに出てくるロボットを手に入れたいという基本的な購買意欲に応えました。

このシリーズはガンプラ以外ではかなりの売上げを伸ばし、小学生を中心に一定のファン層を獲得することはできましたが、第一次プラモデルブームのようなムーブメントは起こっていません。

中期的な視点として、購買力の強い40代は7~8年前から子育てに入り家庭内で自分の時間が持てないという方が多く、一時的にプラモデルから離れて行った方が多数存在します。ようやく最近になって子供に手のかからなくなった男性が徐々に増えてきているので、そういった40代をいかにプラモデル趣味に呼び戻すかが1つの課題といえます。

3-2.メディア依存からの脱却

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昨今のプラモデルやフィギュアは機動戦士ガンダムやワンピースをはじめとする人気アニメやゲームに登場するメカやキャラクターを商品化しています。特に人気スマホゲームの「艦これ」特需は大きな事件と言えます。

プラモデルでは最も人気の無い艦船模型が飛ぶように売れたのは記憶に新しいです。しかし、人気によって売上げが大きく左右されてしまうアニメキャラクターの製品化は見極めが非常に難しく、製品化したところで人気が下火になっていたり、販売がいまいち伸び悩むということもよくあります。

メディアやゲームコンテンツの人気に追従していくことだけに囚われてしまっているのが現状なのです。プラモデルメーカーがメディアに頼らない、オリジナルコンテンツを打ち出す力が求められています。海外メーカーではそういったメディアの力に頼らず、メーカーオリジナルのプラモデルを押し出そうという動きもあります。

KEIKOという中国のプラモデルメーカーではロボットと重機を掛け合わせたオリジナルデザインのプラモデルを発売しました。デザイナーが手がけた架空の重機ロボットを商品化したものになりますが、これが純粋にかっこ良いとネットで話題になりました。日本にも輸入されましたが、あまりの人気にすぐに完売になってしまったほどでした。

こういったフットワークの軽いメーカーに先を越されない為にも日本のプラモデル企業には柔軟性とスピードが求められているのではないかと思います。

最後の記事はこちら
既卒のための業界研究|男なら一度はハマったプラモデル業界 Vol.4

執筆・編集

第二の就活 編集部

「“はたらく”をもっと身近に」をテーマに、就活=不安・やりたくないと感じる気持ちを変えるコンテンツを発信しています。編集部のメンバーは、全員が既卒や第二新卒の経験者です。だからこそわかる「就活に対する怖さ・逃げたい気持ち」に寄り添い、正しい情報をイラストや動画を用いてわかりやすく伝えていきます。

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