事務職は「なくなる」仕事ってホント?求人倍率が低すぎる4つの理由

事務職は「なくなる」仕事ってホント?求人倍率が低すぎる4つの理由

本日お話しするのは「事務職」について。将来AIに取って代わられる仕事として、数年前から話題にのぼることが増えました。

しかし面談の中で求職者の方に「どんな仕事がやりたいですか?」と尋ねると、かなり多くの方が「事務職がやりたいです」と答えます。女性の方はもちろん、男性の方にも多い印象です。ちまたでは10〜20年後に仕事がなくなるかもしれないと言われていても、人気は衰えることなく未だに健在というのが現場での感覚です。

とはいえいくら事務職に就職・転職したい人が多くても、求人数が少なく就職が難しいのはまぎれもない事実。そもそも事務職という仕事はなぜこんなにも求人数が少ないのでしょうか?いくつかのデータを見ながら、事務職の求人倍率が低い4つの理由をお話しします。

事務職だけが就職難!?驚愕の求人倍率の低さ

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画像引用元:DODA 「転職求人倍率レポート(2017年12月)

まずはじめに、一体どれだけの人が事務職を希望しているのか見ていきましょう。今回は「正規雇用」の求人倍率に関して言及しています。

上のデータはDODAが毎月出している転職求人倍率レポートです。職種全体の求人倍率は2.87倍。リーマンショックが起こった頃の有効求人倍率は一時0.42倍まで落ち込んだので、今がかなり高水準であることがわかりますね。

では肝心の事務職の求人倍率はどうなっているでしょう?表の一番下、水色のグラフが「事務・アシスタント系」の求人倍率です。全体の求人倍率が2.87倍であるのに対し、事務職の求人倍率はなんと0.24倍。リーマンショック時の求人倍率よりも低い水準で、“空前の売り手市場”からかけ離れた倍率であることがわかります。

これは1つの求人に対し、約4人の求職者が事務職に応募していることになります。多くの職種では求人倍率が右肩上がりになっていますが、「事務・アシスタント系」はほぼ横ばい。今にもグラフの底につきそうな勢いで低空飛行を続けています。

こんなにも多くの人が「事務職になりたい」と願っているのに、なぜ求人倍率は上がらないのでしょうか?

事務職の求人倍率だけが低すぎる「4つの理由」

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それではここから本題。事務職の求人倍率が低い理由を大きく4つに分けてご紹介します。

その1:派遣社員のような「非正規」社員比率の増加

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画像引用元:一般社団法人日本人材派遣協会 「派遣の現状

上記は職種別派遣社員数を表したグラフです。事務職が全体の3割以上を占めていることがわかります。

事務職の求人倍率はここ数年ずっと低いままなのに、派遣社員では事務職員が一番多い。どういうことかおわかりですよね。そう、事務職はわざわざ正社員で採用しなくても派遣(ないし非正規社員)でまかなえてしまうのです。

多くの人が事務職を目指した場合、雇用条件は下がる傾向にあります。供給が過剰になると価格が下がる“需給のバランス”と同じ考え方ですね。事務職を希望する人が増えれば、その分「正社員じゃなくても人は採れるから派遣かパートで採用しよう」と考える企業の数も増えるのです。

その2:「無期雇用派遣」という新しい雇用形態の登場

2013年に労働契約法が改正され、新たに「無期雇用派遣」という働き方が生まれました。現在多くの派遣会社がこの働き方を取り入れています。

まず派遣について。派遣には「登録型派遣」と「常用型派遣」の2種類があり、皆さんがイメージする“派遣社員”は「登録型派遣」ではないかなと思います。(派遣会社に登録のみしておき、仕事が決まったら都度派遣会社と契約を結ぶ形態)

一方「常用型派遣」は、派遣元である派遣会社の社員として契約し派遣先に出向くスタイルを指します。「無期雇用派遣」はこの「常用型派遣」の中に生まれた働き方のひとつです。

先に言っておくと、この「無期雇用派遣」は正社員としての採用ではありません。しかし一定の条件を満たせば、派遣社員であっても契約期間を定めない労働契約に変更することができます。

これまでは更新時に契約を切られてしまい働けなくなったという方も少なくありません。ですがこの「無期雇用派遣」があれば、雇用そのものは保証してもらえます。正社員ではないけれど契約を切られることはない。派遣社員として働く人にとっては非常にありがたい制度と言えるでしょう。

そしてここからがポイントなのですが、これまでは同じ会社(派遣先)に3年以上勤務することはできませんでした。しかし「無期雇用派遣」の場合、仮に3年を超えてしまっても同じ職場で働き続けることができるようになったのです。

企業の中には「また新しい人に来てもらって一から教えるより、慣れている人に仕事してもらったほうがいい」と考えるところもあります。「無期雇用派遣」で人材の長期雇用が実現できるようになった今、派遣で事務員を補填する会社がますます増えると予想できます。

その3:IT化による「事務処理」の減少

IT化を推し進める時代の流れはどんどん早くなっています。最近ではロボットがフロントに立つホテルが誕生したり、受付を無人化しタッチパネルで対応する店も増えてきました。大手保険会社の三井住友海上でも、営業事務が行う業務の9割をAI(人工知能)が代替することが決定し話題になりました。

また、エン・ジャパンが転職コンサルタントに行った調査では、将来AIに取って代わられるかもしれない仕事トップ3が「事務職」「経理」「コールセンター」という結果に。事務職は堂々の第1位でした。

もちろん事務職がすぐにAIに淘汰されるとは思いませんし、人工知能が導入されるにしても資金面に余裕がある大企業からでしょう。多くの会社はこれまでと変わらず人の手で事務処理を行っていくと思います。

しかしIT化の波が押し寄せているのは事実です。加えて事務職は業務がルーチン化しやすく、同じ業務を正確に素早く処理できるAIとの親和性もあります。今はまだよくても、さらにIT化が進めば将来的に仕事が減ってしまうことはたやすく想像できます。

参考元:エン・ジャパン 「AIに代替される可能性が高い業務は「一般事務」「経理」「コールセンター」。一方、AIに代替されにくい業務とは…?

その4:「産休・育休」の充実による女性の退職率低下

事務職には「ノルマがない」「業務内容が決まっているため働きやすそう」「仕事とプライベートを両立しやすそう」といったイメージがあります。そのため一度正社員として就職できてしまえば、なかなか辞める人もいません。

女性の場合ひと昔前までは“寿退社”なんて言葉もよく聞かれましたが、現在は結婚後も退職せず共働きを選ぶ人が増えています。子どもが生まれれば何かとお金がかかりますし、「自分のやりがいのために働いていたい」という人も多いのでしょう。

なんにせよ、上が抜けなければ企業は新しい人を採用することはできません。

「安定」を求めるなら、事務職は本当に「最善の選択肢」なのか?

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企業に「安定」を求める求職者は増えています。マイナビが学生に行った就活意識調査では、「安定している会社」を企業選択のポイントに置く学生が30%以上いることがわかっています。これは「自分のやりたいことができる会社」に次いで2位の結果ですが、年々その割合は増加傾向にあります。遠くない未来で「安定している会社」がトップに躍り出る日がくるかもしれません。

参考元:2018年卒マイナビ大学生就職意識調査

事務が人気なのも、こういった安定性を重視する考え方が大きく影響しているのだと思います。確かに、長く地道に働くことができ体力的にも続けやすい事務職は、安定性を求める人にとって魅力的な求人ですよね。

ですが、もしあなたが「定時に帰りやすいから」「営業などノルマを伴う仕事は嫌だから」「大きな責任を負いたくないから」という理由だけで事務職を選ぶなら、就職の難易度は上がってしまうかもしれません。

これまで書いてきたように、今や事務職は派遣やパートなどで採用が充足してしまいます。そんな時代にあえて正社員で事務職を採用する企業は、求職者に何かしらの“付加価値”を求めるはずです。そのため後ろ向きな理由で応募してきた人と「◯◯がしたいから」という熱意を持っている人がいた場合、後者が採用されてしまうのは明らかですよね。

また、内定が取りづらい事務職を目指し続けることには、空白期間が長くなってしまうデメリットもあります。在職中の方であればさほど大きな影響はありませんが、そうでない方(既卒や離職済みの方)は要注意。ブランクが空けば空くほど就職は不利になります。

もしあなたが働きやすさを重視して事務職を選んでいるなら、その条件に当てはまる他の職種に目を向けてもいいかもしれません。残業が少なくて営業職ではない仕事は世の中にたくさんあります。

今やITに仕事が代替される時代です。生き残っていくためには、ひとつの仕事にだけ固執せず視野を広げてみてはいかがでしょうか?仕事の探し方がわからないなら、UZUZがあなたの就職をお手伝いすることもできます。

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Hiroki Okamoto

株式会社UZUZ取締役副社長。元第二新卒。北海道出身で高校卒業後、米国アラバマ州立大学ハンツビル校にて宇宙物理学を専攻。卒業後はベンチャー企業に入社し1年間勤務。その後、2012年に若者がウズウズ働ける世の中を作るべく今村とともにUZUZを設立する。